客室の床の間に飾る花は、女将自らが敷地内に咲く野の花を生けております。
「ここに咲いてるのも悪くないけどサ、可愛い姿をみんなに見てもらおうね~」
とお花に話しかけながら(比喩ではなく本当に話しかけています。実際にその姿を目撃したことがあります)、丁寧に摘み取って生け花に仕立てています。

以前、女将が「野の花を生ける理由」を教えてくれたことがありました。
「自然に咲いている花は、その日その日の季節と風土を映し出してくれる。
花枝は、風が吹けば風下に向かってしなり、陽の光を求めて伸びるんだよ。」と。
その言葉を聞いてから、私は女将の生けた花を見るたびに、枝のしなり方や花芽のつき方から、その花がどんな自然環境で育ってきたのかという背景を想像するようになりました。
強い風に吹かれても折れないように身をしならせて、それでも光の射す方へ向かって進んでいく。
自然を生き抜いたからこその強さと美しさが野の花にはあるんだなぁ~と感じます。
そしてその姿は、人の生き方にも重なる気がします。

女将の生け花をずっと眺めていたくなるのは、そんな「花の人生」の奥深さを感じさせられるからかもしれませんね。
当館へご宿泊の際は、そんな野の花たちの逞しくもしなやかな姿を、ぜひゆっくりとご覧ください。

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